箕面石は大阪府箕面市平尾から見つかった新鉱物です。産地は「大阪石」の産地と同一で、発見者・筆頭記載者も、大阪石と同じく、大西政之氏です。
銅と亜鉛の含水硫酸塩鉱物で、外観はシューレンベルグ石という鉱物に似ています。化学組成の点でも、シューレンベルグ石の結晶水を更に増やした物に相当し、類縁の鉱物と予想されますが、結晶構造解析には種々の困難があって、まだ成功していません。上の写真の試料はかなり水色が強いですが、典型的な試料はもう少し緑がかった色です。銅と亜鉛が置換して量比が変化するので、色のバリエーションも、銅と亜鉛の比率を反映したものでしょう。上の写真の拡大が下です。
球状集合体を拡大して良く見ると、六角板状の結晶がロゼット状に集まって球を作っていることが分かります。下地の白い部分は菱亜鉛鉱です。
母岩は緑泥石を主体とする柔らかい岩石で、菱亜鉛鉱の外に、サーピエリ石、ラムスベック石、シューレンベルグ石などと共生します。